コラム
Column
新卒採用 2022.11.25

理系学生に響く情報発信とは-前編-

今回は、採用難易度の高い、理系学生に向けて、認知度の低い企業や、学生の応募獲得が難しい

企業がどのような情報発信をすると有効かという内容で書いていきたいと思います。

前編は、情報発信についていきなり本題に入るのではなく、学生がどのようにして、入社先を選択しているのか、考えてみたいと思います。

 

コロナ禍や、社会環境などの変化を経て、特に製造業を取り巻く環境は大きく変わってきています。

人気企業ランキングに象徴されるように、理系学生からの人気が以前と比較すると、

顔ぶれが大きく変わっていることも象徴的だと思います。

(※ただし、この手の人気ランキングはどの調査会社が、いつどの大学を対象に、何人調査するかにより結果が大きく変わるので、参考程度にしかできないと思っていますが・・)

 

様々見る中でも、高収入を見込めるコンサル系や、需要の高いIT系の企業、

コロナ禍で注目の医療系や、不況に強い食品関連のメーカーなどのランクインが気になりました。

方や、大手総合電機メーカーや、CASEの影響を危惧される自動車業界など、

今だに人気は衰えないものの、依然程の勢いがないことが個人的には寂しく思います。

 

社会情勢、景気の動向に左右されますが、

学生も新卒に入社できる会社は1社。初めに入る会社はその後の職業人生にも

大きく影響を及ぼすため、シビアに見極めていることがうかがえます。

企業にとっては、理系学生の獲得が厳しい環境下で、どのように情報発信をしていくべきなのか、

いくつかポイントをお伝えしていきたいと思います。

理系学生が、人気企業や、安定した企業を志望する理由

そもそも、なぜ理系学生が、より人気企業や安定した企業を志望するのでしょうか。

◎収入を安定させたい。できれば高給、昇給昇格、福利厚生が制度として機能していることが好ましい。

文部科学省「令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」によると、4年間の学費は下記の通りです。

<私立>

私立大学理系……約550万円

私立大学文系……約410万円

<国公立>

国立大学……約243万円

公立大学……約255万円

理系に関しては、私立大学の方が文系よりも授業料が高く、国公立では差はありません。ここからさらに、36%程度が大学院に進みます。

更に、大学4年、卒論時期まで平日は、授業や研究などで忙しく、アルバイトなどをする時間も限られます。アルバイトもできず、貸与型の奨学金に頼る学生も多いと聞きます。

 

金銭的な負担が文系学生よりも多く、かつ大学の4年間を授業と研究に没頭したとなると、

時間とお金を投資した分、待遇が良く、給与が安定して上がっていきそうな企業、

そして、スキルアップなどの支援が充実している企業に惹かれる学生が多くなるのは必然なのかもしれません。

 

それを叶えてくれる企業=人気企業、有名企業となるのでしょう。

更には「高給」ということで、理系採用を強化しているコンサル系企業や、IT系の職種に

流れていくことも納得してしまいます。

そして、他にも社会貢献度の高い(≒影響度の大きい)仕事がしたい、ここにはあまり出ていませんが、専攻を活かしたい、といった声が聞こえるのも理系学生の特徴かもしれません。

-キャリタス2023年理系学生の就職活動調査より(参照させて頂きました。ありがとうございます。)

 

「イメージ」で人気企業・大手企業に流れている学生が多いと想像しますが、

就職活動に避ける時間・労力が限られる中で視野を広げることは中々難しいことなのかもしれません。

 しかし、視野が狭いだけで、世の中には技術的に優れていたり、ニッチな分野で独自の存在感を放つ企業、柔軟な経営で人材を惹きつける企業など、魅力的な企業が多く存在しています。

 気づかないまま就職活動が終わってしまうのでは大変もったいないですし、中堅、中小企業が日本の発展のカギを握っていると考えると、計画的に自社にとって優秀な人材を獲得し、事業成長していくことは重要です。

 そのためにも、過去にも記載していますが、学生の志向や、就職活動における動態を把握し、戦略的に情報を発信し、自社の魅力を知ってもらうアプローチは非常に重要です。

 

 前段が長くなってしまいましたので、次の後編で、情報発信のポイントをお伝えしたいと思います。

 

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