コラム
Column
新卒採用 2022.10.19

理系学生の就職活動スケジュール

<はじめに>

昨今の世界情勢の影響や、DX化AI化、働き改革の推進により、幅広い業種で理系人材のニーズが高まっています。

一方で、理系学生の人数自体が減少傾向であったり、大手企業への一局集中など理系採用に苦戦する企業が多いのが現状です。

そこで、本コラムでは、複数回にわたり、理系学生の採用成功に向けて押さえたいポイントを皆様にお伝えしていきたいと思います。

今回は基礎的な内容ですが、採用スケジュールを決める際に押さえておきたい、理系学生の就職活動スケジュールについてご紹介します。

<理系採用のマーケット>

理系と一言に言っても、「院生」と「学部生」によって活動の傾向は異なります。

まず卒業後の進路について、一般に理系学生の多くは大学院に進学する、と言われていますが、

実際には学部生・院生とも、どの程度の学生が就職活動をしていくのか押さえたいと思います。

まず、令和3度の理・工学・農学系の学部の卒業者が121,172人で、うち、大学院へ進学した割合は

43,861人(36.1%)、学部生で院以外の進路を選択した人数は77,311人(うち就職者は69,389人)です。

就職活動のマーケットに出てくる人数としては、

学部卒(理・工学・農学系):約7万人

修士課程卒(理・工学・農学系):約3.5万人

と想定できます。

※文部科学省令和3年学校基本調査より

【参考】令和3年度学校基本調査(学部卒・院卒の専攻分野別卒業者、就職者、進学者数)

どの属性をメインで採用したいのか、また、「自由応募」か、「学校推薦」での採用か等

検討したうえで採用スケジュールを決定していく必要があります。

<スケジュール>

理系学部生の場合、大学3年生の後期から研究室へ所属する

学生が多く、研究と並行して就職活動を行うため、就職活動の時間の確保が難しいことが特徴です。

大学院生に関しても、基本的には自身の研究と学会等の準備で忙しく、学部生以上に

時間を取れず、早期かつ短期で決定しまう傾向があります。

ですので、学生の動きを考慮しつつ、「自由応募」、「学校推薦」ともに

接点を取るタイミングを逃さないよう計画を立てる必要があります。

1)自由応募の場合

6月~9月 夏のインターンシップ

自由応募の場合は、文系と大きくスケジュールは変わりませんが、上記の通り、3年生の後期からゼミに配属

され、授業やゼミの研究、また研究室への正式配属など、多忙を極めていきます。

そのため、比較的時間に余裕のある、夏のインターンシップに参加する学生の割合が増えてきています。

※株式会社ディスコ 2022卒 理系学生の就職活動(専攻分野別)P5より

冬の時期に開催されるインターンシップへの参加も増えていますが、夏の時期程、

時間の確保はできないため1日型などの短期のインターンシップの開催が望ましいでしょう。

(※特に大学院生をターゲットとする場合は、夏の時期に接点を取っておくことが望ましいでしょう。)

10月~就職関連のガイダンスや、業界研究セミナーへの参加

夏の論文や、学会の対応等で就職活動をスタートできていない学生が、周囲の先行して動いている

学生に触発されて、新たに動き出す層が出てきます。

学校を経由してのプロモーションや、冬のインターンシップの告知など、

就職活動の解禁までに自社の認知を高めていく必要があります。

3月~就職活動(広報活動)の解禁

3月1日から企業の広報活動が開始となり、企業の単独の説明会や、学校主催、民間事業者主催の

合同企業説明会が開催されます。(早いところは試験終了後、2月初旬頃~)

この時期から遅れて就職活動をしていなかった層も一定数出てくるため、何らかのコンタクトを

取ることは有効だと考えられます。ただ、就職活動の準備ができていない学生も多く、

かつ多忙になっていく時期ですので、スケジュールも含めて柔軟に対応していくことが求められます。

6月以降でも、進路変更組や、未内定組、公務員落ち組など随時採用マーケットに理系学生が

出てくるため、門戸を開け、個別対応などできると望ましいでしょう。

2)学校推薦の場合

近年の売り手市場や採用の多様性を担保するため学校推薦を廃止する企業が出てくるなど

学校推薦を取り巻く状況は変化してきています。しかし、23卒学生においては、16.3%(うち機電など約30%程度)

と、いまだ学校推薦を活用し進路を決定する学生も存在しており、有効な採用ルートの一つと言えるでしょう。

※株式会社ディスコ 2023卒 理系学生の就職活動(専攻分野別)

学校推薦では、学科や、教授に寄せられた推薦求人の中から応募企業を選び、

学内選抜を経て、就職担当教授や、研究室の教授に推薦状を記載してもらい、エントリーしていきます。

受付の時期、受付方法などは大学により異なるため、事前に問い合わせをし、準備しておきましょう。

12月頃~学校推薦の説明会・求人公開

大学による学校推薦の説明会や求人票の公開時期は大学にもよりますが、その多くは12月頃から

公開されることが多いです。

1、2月頃~推薦の受付

推薦応募の受付が開始されます。

推薦で求人を出したからといって必ず応募が来るとは限りません。

推薦といえども、リクルーターの派遣や、工場見学等への招待など、

「自社求人に応募してもらう」アプローチは必須です。

3月頃~推薦の選考開始

3月頃から、徐々に推薦の選考がスタートし、内定出しが進んでいきます。

※以降も随時企業側から推薦枠の案内や、学生紹介の打診があれば大学側は随時対応していく流れになります。

学校推薦での採用実績が積み重なってくると、学部の中での認知拡大や、応募数の増加などが期待できます。

<まとめ>

✓採用ターゲットを、「学部生」にするのか、「大学院生」にするのか、募集の形態を「自由応募」

にするのか、「学校推薦」にするのか検討したうえで、採用スケジュールを計画する必要があります。

✓自由応募の場合は、学生がいつの時期に忙しくなるのか考慮する必要があります。

夏の時期が一番動きやすいため、夏季インターンシップの開催や、3月以降、学生に時間の余裕がなくなることを考慮した柔軟な対応が可能かどうか検討していく必要があります。

✓学校推薦の場合は、必ず10、11月頃に推薦求人の公開時期、選考時期などを学校側に問い合わせしたうえで準備を進めていきましょう。

また推薦で求人を出したからと言って応募が来るとは限らないため、事前の認知・動機形成にも注力してくことが重要です。

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